世界遺産登録15周年|紀伊山地の霊場と参詣道

世界遺産登録15周年

紀伊山地の霊場と参詣道

世界遺産登録15周年記念イベント開催

May J.さん

スペシャルインタビュー

2019年7月6日、「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録から15周年を記念して、熊野速玉大社境内で世界遺産「高野・熊野夢舞台」コンサートが開催されました。
聖地の空にMay J.さんの澄んだ歌声が響き渡った夜から一夜明けた翌朝、熊野三山の神々が最初に降臨した聖地神倉神社でお話を伺うことができました。

本来の自分に
  戻れる場所

熊野のパワーが私の内面に変化をもたらした

 和歌山市までは何度も来る機会があったのに、熊野の地に来たのは今回が初めてです。前から一度来てみたいと思っていたので、やっと念願がかなったという思いです。
 こちらへは、南紀白浜空港から車で向かったのですが、だんだん山深い場所に進んで行き、車窓いっぱいに広がる美しい緑を眺めているうちに、自分の心の中に少しずつ変化が起こり始めるのを感じ、きっとこれが聖地がもつ力なんだと思うようになりました。それは、だんだん厳粛な気持ちになって来るのと同時に、ゆっくりと素の自分に戻っていくような不思議な感覚でした。
 コンサート会場である熊野速玉大社に到着した時は、ちょうど雨が降っていて、境内は静けさの中にもしっとりとした情緒があり、それが逆に聖地・熊野の計り知れないパワーのようなものをより強く感じさせてくれました。

聖地の夜空に魂の歌を届ける

 到着後、熊野速玉大社の宮司さんとお話しをさせていただく機会がありました。宮司さんの言葉のひとつひとつに重みがあって、とても感動しました。私は、コンサートの前に、正式参拝を行い、自分の持ち歌の『ロンド』という曲を神前で歌わせていただきました。
 時折雨も見られましたが、コンサートの最中は、満席のお客様が一緒にステージを盛り上げてくれて、思い出に残る素敵なコンサートになったと思っています。野外フェスなど多くの屋外コンサートを経験していますが、今回のコンサートは、それとはどこかが違っていました。自分の歌声が神聖な森に吸い込まれていくようで、一曲一曲、自然と言葉に魂がこもり、それはまさに神様に曲を届けるような感覚でした。

本来の自分にリセットすることができた
熊野コンサート

 コンサート終了後は、新宮市内の食事処で地元のお魚や郷土料理をいただきました。全部、おいしかったのですが、特に気に入ったのが“めはり寿司”。初めていただいたのですが、山深い土地に長く伝わる郷土の味が、素朴ながら温かみがあって、真の豊かさを感じさせてくれるものでした。今回は行くことができなかったのですが、私は温泉も大好きで、熊野には歴史深い素敵な温泉がたくさんあると聞いているので、次回はぜひ立ち寄ってみたいと思っています。
 今回のコンサートは1泊2日の強行軍でしたが、自分をリセットすることができて、本来の自分を取り戻すことができたのが大きな収穫です。音楽活動をする上で多少の悩みもありますが、この地に来ることができて、また新たに前向きな気持ちになれました。聖地がもつ不思議な力が後押ししてくれたのだと思っています。みなさんにもぜひ、人生前向きになるパワーを得るためにも、おいしい食べ物や素敵な景色に出会うためにも、熊野の地を訪れて欲しいと思います。私もまた必ず来ます。

Profile

May J.

メイ ジェイ

Official Site

1988年6月20日東京都生まれ。幼児期よりダンス、ピアノ、オペラを学び、作詩、作曲、ピアノの弾き語りもこなす。圧倒的な歌唱力とパワフルかつ繊細な歌声、そして前向きでポジティブなメッセージが幅広い世代から支持を受けている。記録的な大ヒットで社会現象にもなった、2014年公開のディズニー映画『アナと雪の女王』の日本語版主題歌(エンドソング)を担当。

世界遺産「高野・熊野夢舞台」コンサート

毎年、世界遺産の地を舞台に開催している世界遺産「高野・熊野夢舞台」。熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社、高野山を舞台にコンサートを開催。世界遺産登録15周年を迎える記念すべき2019年は、May J.さんがすばらしいパフォーマンスで観客を魅了した。